感情を昇華する

「あれを失ったら何も残らない。なのに扉を開いて見ることが出来そうにない。」

近くに在るのに遠くに在るような。いつでも手を伸ばせば届くのに躊躇ってしまう。

この感情の根底に潜むものは「恐れ」に他ならず、怯える自分を理解しているというのに、見て見ぬ振りをしながら日々を重ねていました。

ところがある日、フッと「もう大丈夫だ。」という確信があって、この領域に触れることになるのです。夢の中を彷徨うみたいに、ふわふわぼんやりとした意識の中で扉を開いたのは不思議な感覚でした。

あれから随分と月日は流れたというのに、私の記憶は鮮明に蘇り、ですが淡々とそれらを視覚から受け取ってハートに落とし込んでいました。

あの頃はあんなにも抵抗していたというのに、悲しみや苦しみ、怒りを理解すると同時に、更に深いところに潜む真実を知ったのです。

「今この膨大な情報が消えても何も失わない。」と気づき、すべてを昇華しました。

真実は魂に在る。それだけで充分なのだと知ったのです。

失うものなど、何ひとつとしてありませんでした。